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血統から囁かれる一つの答え。配合分析好きは必見! 栗山求コラム「血統の裏庭」

2017-05-24 ​日本ダービー(G1)血統的考察

​ 先週のオークスは◎ソウルスターリング(1番人気)が快勝。

ラスト1000m57秒8という驚異的なラップは、
スタミナに支えられたハイレベルなスピードの持続力が
要求されたことを示している。

1〜4着馬はデインヒルを、
1、5着馬はサドラーズウェルズを持っていた。

こうした流れになるとヨーロッパの主流血統は頼りになる。



さて、今週はダービー(G1・芝2400m)。

過去10年間で1番人気馬は4勝、
2着1回と信頼性はまずまず。

10回中9回は1〜3番人気馬が勝っており、
それ以下で勝った馬は10年のエイシンフラッシュ(7番人気)しかいない。

無謀な穴狙いはやめておいたほうが賢明だ。



【アドミラブル】

皐月賞組を差し置いて1番人気に推されそうなのは
青葉賞(G2)を勝ったアドミラブル

ノド鳴りから復帰後の3連勝はいずれもワンサイド。

なおかつ時計的にも優秀で、
デムーロ騎手、音無調教師のこの馬に対する評価はきわめて高い。

母スカーレットは
皐月賞馬ヴィクトリーや重賞3勝馬リンカーンの半妹で、
2代母グレースアドマイヤは半兄弟にダービー馬フサイチコンコルド、
皐月賞馬アンライバルドがいる。

底力に恵まれたクラシック向きのファミリーだ。

全兄タブレット(2勝)、全姉イサベル(4勝)は
脚部や体質に弱さを抱え、
いずれも大成する前に競走生活を終えてしまったが、
素質は重賞級だった。

「父ディープインパクト、2代母の父トニービン」という組み合わせは、
ハープスターなど出走19頭中15頭が勝ち上がり、
芝連対率38.8%と成功している。

「母の父シンボリクリスエス」も最近のトレンドとなってきており、
現3歳世代に限っても、アドミラブルのほかにレイデオロ、
ミスパンテール、マイネルバールマンなど活躍が目立っている。

昨年秋のデビュー戦は10頭中9着と惨敗したものの、
ノド鳴りの手術を経て復帰した3月の未勝利戦(芝1800m)は、
休み明けにもかかわらず1分45秒8という
古馬オープン並みの好時計で快勝。

2戦目のアザレア賞(500万下・芝2400m)は
一転してスローペースとなったが、
難なく折り合って直線で豪快に抜け出した。

青葉賞は次走ダービーを見据えた余裕残しの仕上げにもかかわらず、
2分23秒6というレースレコードをマークした。

もはや能力に疑いを差し挟む余地はなく、あとは状態面だけ。



【レイデオロ】

「キングカメハメハ×シンボリクリスエス」という組み合わせ。

母ラドラーダはヒカルアマランサスを破って準OPを勝ち、
阪神牝馬S(G2)で6着となった活躍馬で、
本馬の半兄ティソーナはマーガレットS(OP)の勝ち馬。

ディープインパクトやブラックタイドを産んだ名牝ウインドインハーヘアは、
息子たちだけでなく牝系からも血を発展させている。

今年の3歳世代では、
レイデオロのほかにアドマイヤミヤビ(クイーンC)、
プラチナヴォイス(スプリングS−3着)、
ブルークランズ(カーネーションC−2着)といった活躍馬が出ている。

ウインドインハーヘアの娘たちのなかで最も勢いが著しいのは
レディブロンド分枝。

レディブロンド自身もスプリンターズS(G1)で4着となるなど
6戦5勝の好成績を挙げた競走馬だったが、
子と孫の代で競走年齢に達した5頭はすべて勝ち上がり、
そのなかにはレイデオロのほかにゴルトブリッツ(帝王賞)が含まれる。

ホープフルS(G2)を勝った際の完璧な立ち回り、
そしてピッチ走法から考えると、ベストは小回りコース

東京の長い直線では伸び負けする可能性が高い。

ただ、スタミナとスピードの持続力が問われた
先週のオークスのような展開になれば善戦可能だろう。




【アルアイン】

1分57秒8のレースレコードで皐月賞(G1)を制覇。

道中不利があったシンザン記念(G3)を除けば
4戦全勝と底を見せていない。

皐月賞は前半1000m59秒0というレース史上4番目のハイペースで、
後半1000mは58秒8と、前半よりもさらに速いラップを刻んだ。

高速馬場の影響だろう。

2〜4着馬の父、ハービンジャー、ルーラーシップ、ディープスカイは、
速い脚が要求されるレースでは持ち味を発揮しづらいタイプ。

こうした血統が上位を占めたことでも、
皐月賞が特殊な流れだったことが見て取れる。

母ドバイマジェスティは
BCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7f)の覇者で、
米チャンピオン牝馬スプリンター。

母の父エッセンスオブドバイはエーピーインディ系で、
スーパーダービー(米G2)、ノーフォークS(米G2)、
UAEダービー(首G2)などの覇者。

切れ味よりもスピードの持続力に強みのある血だ。

緩みのないハイペースで展開した皐月賞は
この馬向きだったといえるだろう。

速いタイムで決着した年の皐月賞馬はダービーで疑ったほうがよい、
とはよく言われるところだが、
これは要するに、ハイペースの皐月賞と
通常のダービーでは求められる能力が別物であることを示している。


ざっくり単純化して言えば、
前者はスピードの持続力、後者はラストの瞬発力。

1分57〜58秒台で決着した皐月賞は過去5回あり、
そのなかで皐月賞とダービーを連勝した馬は
15年のドゥラメンテただ1頭。

アルアインはこの壁に挑むことになる。

ラストの決め手勝負になると伸び負けする可能性があるので、
ペースが速くなることが望みだろう。




【スワーヴリチャード】

「ハーツクライ×アンブライドルズソング」という組み合わせで、
きさらぎ賞(G3)2着馬バンドワゴンの半弟、
現1000万下エマノンの全弟。

2014年のセレクトセール当歳で1億5500万円の値がついた。

母の父アンブライドルズソングはサンデー系種牡馬と相性が良く、
このパターンからトーホウジャッカル(菊花賞)、
ダノンプラチナ(朝日杯FS)というG1馬が出ている。

「ハーツクライ×アンブライドルズソング」の組み合わせは、
これまでにJRAでデビューした6頭中5頭が勝ち上がり、
アダムバローズ(若駒S、紫菊賞)、カレンケカリーナ(OP)などの
活躍馬が出ている。

本馬の父ハーツクライは、
シアトルスルーを抱えた繁殖牝馬と相性が抜群で、
このパターンからアドマイヤラクティ、カレンミロティック、
カポーティスター、シュンドルボン、ベルラップ、カフジプリンス、
コウエイオトメ、トウシンイーグルなど多くの活躍馬が出ている。

配合的には申し分ない。

前走の皐月賞はインを突いた馬が上位を占めた。

外に出して伸びきれなかったこの馬のレースぶりは決して悪くない。

東京コースは共同通信杯(G3)を楽勝している得意コース。

共同通信杯で2馬身以上の差をつけて勝った馬は
過去30年間に5頭を数えるが、
そのうち3頭がダービー馬となっている。

前走6着で人気が下がるようなら
馬券的に大いに妙味が出てきたというべきだろう。




【サトノアーサー】

「ディープインパクト×リダウツチョイス」という組み合わせ。

2015年のセレクトセール1歳で1億9500万円(税抜)の高値がついた。

母キングスローズはニュージーランド、オーストラリア、香港で
通算23戦8勝。

NZ1000ギニー(G1・芝1600m)、WHストックスS(豪G2・芝1600m)など
6つの重賞を制した名牝で、
ノーザンダンサーの濃度が濃く(4・5×3・5・5)、
ダンジグ、ヌレイエフ、リファールを経由しているので
ディープインパクトの配合相手として好ましい。

母方の3代目にデインヒルとヌレイエフを並べる配合は
ミッキーアイル(NHKマイルC、マイルチャンピオンシップ)と似ており、
「リダウツチョイス+サンデーサイレンス+ヌレイエフ」なので
フルーキーとも配合的共通点が多い。

アルザオ≒ダンシングショウ3×4は、
後者と似た配合構成のシャリーフダンサー、グリーンデザート、
タッチオブグレートネスを入れたパターンが
ディープインパクトの配合で成功しているのでおもしろい。

きさらぎ賞(G3)は道悪に脚を取られ、
毎日杯(G3)は位置取りが後ろすぎていずれも2着に敗れた。

しかし、直線の長いコースで良馬場のコンディションならば、
シクラメン賞(2歳500万下・芝1800m)で披露した
稲妻のような瞬発力が繰り出されるだろう。


前走から間隔が空いたものの、
臨戦過程が狂ったわけではなく当初の予定どおり。

仕上げに抜かりはない。



調教の動きや枠順などを総合的に判断し、週末に最終結論を出したい。

このコラムを書いた予想家

栗山求
日本を代表する血統評論家のひとりとして様々な雑誌に寄稿するほか、
テレビやイベントなどへの出演もこなす。

緻密な配合分析に定評があり、とくに2、3歳戦ではその分析をもとにした予想で無類の強さを発揮している。

また「POGの達人」「競馬王のPOG本」といったPOG関連本の常連執筆者でもある。 得意な予想スタイル:馬単・三連単

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5月20日(土) 京都11R
【栗山】獲得金:34,900円

合計:34,900円

5/27(土)は東京11R 欅ステークス
5/28(日)は東京10R 東京優駿(G1)
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