2023-08-10 ​「転売されるんでサイン書くのやめます」

​ 先週末、
SNSで話題になっていたのが、
「転売されるんで
  サイン書くのやめます」
という話。

池添騎手のサインが
ネット上で取引され、
数千円以上の値段がついていたらしい。

競馬専門紙記者も
池添騎手に同情する
投稿をしている事もあり、
多くの人の共感を呼んでいた。

この記者の投稿によると、
レースに勝った後、
検量室からわざわざ出て、
暑い中ずっとサインをしていたらしい。

ファンサービスしていたといえども
完全に屋外での事。

スタンドの影になっている部分で
行われたらしいが、
熱中症になる馬も多数いるような猛暑の中…。

アスリートにとっては体を休めたり、
次のレースに備える時間を削って、
ファンサービスでしたサインが
ネット上で売りに出ていれば、
決して気分がよくないのは明らかだ。

もちろん所有権は
サインをもらった側にあるので、
もらったサインをどうしようと、
それはそれで自由。

ニーズがあるなら
売買が成立してしまう事は否定できない。

最初から転売目的でサインを貰うのは
確かにモラルが問われるが、
応援していた
ジョッキーのサインを入手後、
何らかの理由で応援できなくなり、
それを「売っちゃおう」
と思うケースも考えられる訳で…。

もちろん池添騎手の言い分もわかるし
今後「サインしない」
という方針を示すのも自由だ。

もちろんその方針を通せば、
尚更、サインの価値が上がってしまう事は有り得るが…。

逆にサインをたくさんしまくって、
サインそのものの価値を
下げる方法もあるが、
それとて途方も無い作業。

サインをする側、売る側、買う側、仲介する側…

いずれの自由も
尊重されなければならないが、
全員が得をする状況になりにくいのが
この「サイン問題」だ。

「○○さんへ」と書けば、
一定程度、転売を抑止できる
効果はあるようだが、
それもそれでサインをする側もされる側も手間。

もちろんウィナーズサークルで
サインを求められても、
無視するジョッキーもいるようだが、
懇切丁寧に応じるジョッキーもいるのは事実。

これでは無視している
ジョッキーが悪く見えてしまうが、
彼らは仕事中でもある。

仕事をしている人の手を止めて、
無償で奉仕(サイン)させるのは
本来、品の良い行為には思えない。

今回のケースが
そうだとは言わないが、
子供を使ってサインもらい、
それを転売する親もいるとのこと。

こういう事例があると、
好意的にサインをしていた側も気分を害するだろう。

「ウィナーズサークルでサイン禁止」
みたいな事を主催者が決めれば、
それなりに事態が変わるのかもしれない。

もちろん
騎手会との話し合いは必要だが、
本来ジョッキーが
ファンサービス云々の事で、
悩むんだり憤慨したりするのはおかしい話。

前述したように、
サインをする側、売る側、買う側、仲介する側…

いずれの自由も
尊重されなければならないが、
今回の件ばかりは、
サインを貰う側が
騎手を思いやる必要があるように思う。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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