2025-11-27 ​継承こそ競馬の本筋

​ ジョッキーや
調教師、記者はもちろん、
その家族まで日曜の夜は
「ザ・ロイヤルファミリー」に釘付けだ。

「あんな調教師居ない」
「騎手の設定が無茶苦茶」
「馬主さんはまだ現実的かな」
と言った関係者ならではの
寸評がSNSを賑わすが、
全員放送直後には
「今週も泣けた」という話で終わり、
感想戦がスタートするのが界隈のトレンドになっている。

とにかくこの秋の競馬界は
「ザ・ロイヤルファミリー」
一色だが、
そのドラマの主題のひとつに
「継承」というモノがある。

たった3頭でスタートした
サラブレッドの歴史は
多くのホースマン達によって
現代に受け継がれてきている。

サンデーサイレンスだ、
キングカメハメハだ、
ディープインパクトだ、
と、偉そうに
江戸川さんが言ってみても、
競馬の長い歴史の一部を
評しているに過ぎないということだ。

懸命に人生を賭けて
血を紡いできた人達がいたからこそ、
毎週競馬を楽しむことが出来、
あーだこーだと盛り上がることが出来る。

すべてのホースマンに感謝をしたいと思う。

また長い競馬の歴史の中の
一部でしか無いかもしれないが、
「思い入れのある馬」
の活躍は誰にとっても嬉しいものだ。

特に長らく馬主や生産を
続けている人にとって、
思い入れのある血統というのは当然ある。

先週の福島記念を買った
ニシノティアモは、
名門・ニシノ軍団の看板とも言える母系出身の馬。

曾祖母のニシノフラワーは
ニシノ軍団の代名詞とも言える名馬で
桜花賞を含めてG1を3勝し、
現在ではウマ娘の中でも
人気キャラクターにもなっている。

ニシノフラワーは
9頭の産駒を残しながらも、
牝馬はたった2頭しかおらず、
その細い後継牝馬から今回重賞勝ち馬が出た格好。

ちなみに中山大障害を勝った
ニシノデイジーもニシノフラワーの子孫である。

「ニシノデイジー
     ×ニシノティアモ」
を配合すれば、
「ニシノフラワー3×3」
が成立する。

つまり父系母系の双方に
ニシノフラワーの血が入ることになり
まさにニシノ軍団の集大成とも言える
馬が誕生することになるだろう。

実際、ニシノデイジーの祖母
ニシノミライは
「セイウンスカイ
     ×ニシノフラワー」
という配合なので、
まさに西山牧場の名声を高めた2頭の結晶。

西山社長はニシノフラワーを
インブリードにした
配合の馬を作る可能性をSNSで匂わせている。
(ニシノデイジーは今年20頭以上に種付けしている)

頭数を多く所有している
メイショウ軍団では
血統表に「メイショウ」だらけの
競走馬を散見することはあるが、
ニシノ軍団もこの流れに続くかもしれない。

ニシノフラワーは
30年以上前の競走馬だが、
日本に活力があった
バブル期直後に活躍した馬の血が
今もなお日本競馬の中で
重要な位置を担っているのは感慨深い。

ダンスパートナーの子孫から
オークスを勝ったカムニャックや
重賞勝ちのキープカルムが出たのも記憶に新しいところ。

海外のG1を勝ちまくった牝馬の仔が
かなり増えたた事で、
日本の血統レベルが上がっているのは周知の事実。

が、30年以上かけて
日本に根付いた血統の馬が
各路線の第一線で
対等に渡り合っているのは、
それなりに「競馬歴」を積み重ねてきた
江戸川さんとしても嬉しい。

これから何年先も
「あの馬の子孫がこんなに走るのか」
を経験できるし、
馬主や生産者など関係者なら
興奮せずにはいられないはず。

今年もあと一ヶ月。

どのような熱いドラマが待っているのだろうか。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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